高精度年代対比ツールとしての古地磁気強度層序
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概要
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近年,古地磁気強度変動記録を用いた海底堆積物の年代対比が試みられるようになってきた.この手法は,海底堆積物に対して数千年スケールの高精度年代対比や,南極やグリーンランドの氷床コアの宇宙線生成核種生成率との直接対比を可能とするなど,将来性は非常に高い.しかし,海底堆積物の残留磁化獲得プロセスには,Lock-in depth問題など未解決の課題が残されており,年代対比における不確定要素となっている.本稿では,近年進められている新たな残留磁化獲得プロセスの研究例を紹介するとともに,この年代対比手法の課題と将来展望について述べる.