頚部リンパ節転移をきたし急速に進行した肺原発印環細胞癌(signet-ring cell carcinoma)の1例
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概要
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背景.肺原発印環細胞癌は稀とされており,腫瘍に占める印環細胞成分の割合(signet-ring cell carcinoma component)が50%以上では予後不良である.症例.59歳,男性.胸背部痛,咳,食思不振を主訴に呼吸器内科を受診した.頚胸部CT検査にて,顎下部を中心に両側頚部および左鎖骨上リンパ節,上縦隔に多数のリンパ節腫大と,右肺尖部胸膜下に結節陰影を認め,左顎下リンパ節生検および経気管支肺生検にて印環細胞成分でほぼ占められる腺癌と診断した.免疫組織学的検査で,thyroid transcription factor-1(TTF-1)陽性,cytokeratin-7(CK7)陽性,cytokeratin-20(CK20)陰性であり,肺原発の印環細胞癌cT1N3M1(肺癌取扱い規約第6版),stage IVと診断した.全身化学療法の適応と判断し,CDDP+TS-1®を施行したが,治療開始後第4病日に急激な頚部リンパ節腫脹による気管狭窄が進行したため,気管切開を施行した.その後原病の悪化および肺炎の併発により呼吸不全が進行し,治療開始後第25病日に永眠した.結論.頚部リンパ節転移をきたし急速に進行した肺原発signet-ring cell carcinoma(SRCC)の1例を経験し報告する.
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