医用画像における画質評価の役割―デジタルマンモグラフィ装置の評価―
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概要
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本研究では,乳房X線撮影を目的として2種類のCRシステム(ピクセルサイズ50μmの両面読取と100μmの片面読取)とフルデジタルマンモグラフィ(FFDM)の画質評価を行った.画質評価は,物理評価と視覚評価を用いて行い,これらの結果から問題点を明らかにした.物理評価の中でFFDMシステムのMTFは,増感紙−フィルム系に比べると低い値を示したが,2種類のCRシステムに比べて優れた特性を示した.また,3種類のデジタルシステムの中で,FFDMシステムのWSは,もっとも優れた特性を示し,両面読取CRシステムは,片面システムに比べて改善していた.C-Dファントムを用いた視覚評価では,同一線量で撮影したFFDMシステムおよび,50μmの両面読取CRシステムの信号検出能は,増感紙−フィルム系に比べ同等以上の検出能を示した.100μmの片面読取CRで撮影した石灰化を含む10症例の臨床画像の観察では,石灰化の形状認識が悪くなることが確認された.