越冬地におけるクロツラヘラサギ幼鳥への給餌
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概要
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2004年11月17日に香港のマイポ自然保護区でクロツラヘラサギPlatalea minor の幼鳥が成鳥に餌をねだる行動をしているのを観察した。成鳥は逃げていたが結局, 餌を与えた。その後, 成鳥は幼鳥を追い払ったり, 逃げたりしたが, 幼鳥は餌ねだりを続けた。12月1日にも餌ねだり行動が見られ, 足環から成鳥は同一個体であることがわかった。幼鳥も同一個体と思われた。12月29日にはこの成鳥の足環を読むことができたので2001-2002年の冬に病気のために香港で保護され, 2002年1月30日に放鳥された個体であるとわかった。餌ねだり行動は, 秋の渡り直前に韓国で9月後半に観察されたことがあるが, 越冬地での観察は初めてのことである。幼鳥は数十羽の成鳥のなかから餌をねだる相手を選んでいたので, 餌を要求された成鳥はこの個体の親であったかもしれない。
著者
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スウェネン・ コーネリス
Department of Ecology and Biodiversity, University of Hong Kong
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ユ・ ヤ・トゥン
Department of Ecology and Biodiversity, University of Hong Kong