Chronic abruption-oligohydramnios sequence(CAOS)が疑われた4症例
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概要
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慢性の***出血と明らかな前期破水のない羊水過少を伴うCAOSという病態が1998年にElliottらにより報告されており,同様の週数の他の早産症例と比較し周産期予後が悪いことが示唆されている.当院において妊娠初期からの慢性的な子宮出血を伴い,類似した臨床所見を呈する切迫早産症例を4症例経験した.症例はすべて初期から持続・反復する***出血および羊水過少を認めた.全4例中2例はIUFD,新生児死亡という転帰をとった.そのうち1例は明らかな破水の所見なく妊娠中期より徐々に羊水過少となり妊娠25週でIUFDとなった.もう1例は妊娠22週より高位破水を認め,子宮内感染が増悪し,妊娠23週で経腟分娩となったが児は出生2時間後に死亡した.残る2例は妊娠25週で臨床的に感染症状が著明となったため帝王切開術を施行し,出生後の児は慢性肺疾患で治療に難渋したものの,現在までのところ明らかな後遺症なく経過している.当院で経験した症例からは,明らかな前期破水の有無にかかわらず初期から慢性的に出血が持続し,さらに羊水過少を発症していくものに関しては周産期リスクが高いことが示唆された.これらの症例に関しては,単なる切迫早産とは異なる慎重な管理が必要であると思われた.〔産婦の進歩62(4):327-332,2010(平成22年11月)〕
- 近畿産科婦人科学会の論文
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