ピリジン系イオン液体及び無機担体−イオン液体複合材料を用いたPd(II) の吸着挙動
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概要
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イオン液体を吸着場とする,クリーンなPd(II) 回収プロセスを構築するために,ピリジン系イオン液体を用いてPd(II) 塩素イオン錯体の吸着挙動を検討した。ピリジン系イオン液体へのPd(II) の吸着は,イオン交換樹脂を用いた従来の結果と同様に,低HCl濃度条件において最大吸着を示すことが明らかとなった。しかしながら,PdCl2濃度を 1, 5, 10, 15, 20, 30, 50 (46) mmol⁄dm3 として吸着試験を行ったところ,従来得られるようなLangmuir型の吸着が認められず,Langmuir吸着等温線に適合しない結果が得られた。PdCl2は高HCl濃度溶液中ではPdCl42−として存在していることから溶解性は良好である。しかしながら低HCl濃度溶液中では多角化し溶解性の低下を引き起こす。このような結果は,イオン液体を用いたPd (II)の吸着が化学吸着により支配されることを示し,ピリジンへのPd (II)の直接的な配位が予想される。また,無機担体へイオン液体を含浸したハイブリッド吸着材もPd (II)吸着材としての有用性を示した。