体位性蛋白尿に関する研究 : 前弯負荷後尿の蛋白分析と腎組織所見
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
腎炎の治癒期やネフローゼ症候群の寛解期に,早朝尿では蛋白尿陰性であるが,前弯負荷後に蛋白尿陽性となる症例が存在することはよく知られている。 今回,我々は前弯負荷後に蛋白尿陽性となる腎炎患者の前弯負荷後尿の蛋白分析を行い,腎組織所見との比較検討を行った。その結果,腎炎患者で前弯負荷後に蛋白尿が増加する機序は単一ではなく,腎炎に体位性蛋白尿が合併したと考えられる症例と,腎組織所見を反映し前弯負荷後に低もしくは高選択性の蛋白尿が増加したと考えられる症例とに分類できた。 以上から,腎組織障害に起因すると考えられる前弯負荷後蛋白尿の出現する治癒期の腎炎患者では,慎重な経過観察が必要であると考えられた。