サイレージ調製時の破砕およびアルカリ処理がウシにおけるモミ米ソフトグレインサイレージの消化性に及ぼす効果
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
メンヨウおよび乾乳牛各4頭を供試し,4×4ラテン方格法により,モミ米ソフトグレインサイレージ調製時の破砕処理およびアルカリ処理がモミ米の成分消化率およびTDN含量に及ぼす影響を検討した.処理は破砕(破砕率62%,破砕区),水酸化ナトリウム3.3%添加(NaOH区),アンモニア3.2%添加(NH3区)および未処理(未処理区)とした.NaOH区は原料に比べて粗灰分が,NH3区では粗タンパク質含量が増加した.未処理区および破砕区のサイレージpHは5.5以上と高いが,芳香臭があり発酵品質は良好であった.NaOH区では一部カビの発生が認められた.NH3区ではアンモニア臭がありカビは認められなかった.メンヨウでは,NH3区は他に比べて有機物消化率が高かった(P < 0.05).未消化子実排泄割合およびTDN含量(69〜74%)に処理の効果は認められなかった.乳牛では,破砕区は未処理区よりも未消化子実排泄割合が少なかったが(P < 0.05),TDN含量に差は認められなかった(62 vs. 60%).NaOH区は粗脂肪消化率が他の処理比べて低い傾向がみられるとともに,未処理区より未消化子実排泄割合が多く,TDN含量がやや低い傾向がみられた.NH3区は処理の影響は認められなかった.以上のことから,未乾燥モミ米をソフトグレインサイレージとして調製する際の加工処理として,アルカリ処理では十分な効果は期待できないこと,破砕処理ではすべてのモミ米がより細かく破砕される必要があることが明らかとなった.
著者
関連論文
- サイレージ調製時の破砕およびアルカリ処理がウシにおけるモミ米ソフトグレインサイレージの消化性に及ぼす効果
- サイレージ調製時の破砕およびアルカリ処理がウシにおけるモミ米ソフトグレインサイレージの消化性に及ぼす効果