生殖腺とエンドクチクラ層の発達を指標としたクモヘリカメムシの年間発生世代数の推定
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概要
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クモヘリカメムシの羽化後日数に伴う生殖腺の発達とエンドクチクラ層数の増加について明らかにし,それらを指標として福島県における本種の年間発生世代数を推定した.室内実験の結果,本種成虫の生殖腺は短日条件で生殖休眠が誘導され,長日条件では羽化後日数の経過に伴い生殖腺が発達した.これに対してエンドクチクラ層の発達は,日長条件に関わらず羽化後日数の経過に伴い層数が増加した.生殖腺の発達段階とエンドクチクラ層数を指標として2006年福島県東白川郡矢祭町で採集した個体を調査したところ,8月上旬に捕獲された成虫は越冬個体であると推定された.さらに8月下旬には第1世代成虫が発生し9月上旬には生殖休眠個体が確認された.これらの結果から,矢祭町付近における本種の発生は主に年1化であることが明らかになった.