繰り返す嗄声を呈したWegener肉芽腫症の一例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
症例は68歳の男性,65歳時に原因不明の左反回神経麻痺が出現したが自然軽快した.最近6ヵ月間で9kgの体重減少を認めた.2008年8月,急に嗄声が出現して耳鼻咽喉科を受診し,胸部CTで左上葉に4個,右下葉に2個,合計6個の一部空洞を伴う多発肺結節を認めた.診断および治療目的に当科に紹介され,左上葉切除を行った.術中迅速診断では肺結核が疑われ,永久標本にて壊死性血管炎および多核巨細胞の浸潤を伴う壊死像を認め,Wegener肉芽腫症の確定診断を得た.Wegener肉芽腫症の中で,左反回神経麻痺による嗄声を呈する例や自然軽快する例は報告がない.本症は早期に診断し治療を開始することで生命予後が改善される疾患であり,積極的な確定診断と治療方針の決定が必要である.
著者
-
杉本 愛
水戸済生会総合病院 心臓血管・呼吸器外科
-
倉岡 節夫
水戸済生会総合病院 心臓血管・呼吸器外科
-
建部 祥
水戸済生会総合病院 心臓血管・呼吸器外科
-
篠永 真弓
水戸済生会総合病院 心臓血管・呼吸器外科
関連論文
- 繰り返す嗄声を呈したWegener肉芽腫症の一例
- 52) CABG後長期に渡り内胸動脈の攣縮状態が持続した1例(日本循環器学会 第179回関東甲信越地方会)
- 繰り返す嗄声を呈した Wegener 肉芽腫症の一例
- 呼吸困難で発症した左横隔膜弛緩症に対し, Marlex mesh を用いて横隔膜形成術を行った成人の1例(横隔膜疾患/胸部外傷, 第22回日本呼吸器外科学会総会)
- 妊娠37週にて手術した自然気胸の1例
- 胸壁MRSA感染を合併した大動脈弁狭窄症に対する大動脈弁置換術の1治験例
- 自然気胸を契機に胸部CTで偶然発見された脳内気管支性嚢胞の1手術例