高血圧治療薬の開発におけるテレメトリー法の活用
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概要
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テレメトリーシステムは開発から約20年が経っており,その優れた機能と利便性から世界中の研究機関に広く普及している.特に安全性薬理の分野では心循環機能に対する毒性試験に用いられており,現代の創薬において必要不可欠な試験ツールとなっている.血圧測定という観点では従来法では測定が困難であったマウスのような小動物からイヌ,サルのような大動物まで幅広い動物に適用可能という利点がある.一方,高血圧治療薬の分野には既に作用機序の異なる優れた薬剤が複数上市されているが,治療抵抗性高血圧症,夜間高血圧症などでは既存薬で十分な降圧目標が達成できないこと(アンメットニーズ)が明らかになりつつある.遺伝子組換え技術の進歩により種々の遺伝子改変マウスが作成されている中,表現型として高血圧を呈するマウスがテレメトリー法により明らかにされている.これらの中には新たな高血圧モデル動物として期待される動物もあり,今後,アンメットニーズを対象とした創薬においてテレメトリー法と遺伝子改変動物の組み合わせが極めて重要なツールになると期待されている.