組換えLST-03リパーゼの活性と安定性におよぼすカルシウムイオンの影響
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概要
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有機溶媒耐性微生物Pseudomonas aeruginosa LST-03株が産生するLST-03リパーゼは有機溶媒存在下でも高い安定性を示す.LST-03リパーゼの活性発現にはリパーゼ特異的分子シャペロンが必要であり,異種宿主で発現された組換えLST-03リパーゼにリパーゼ特異的分子シャペロンを添加することにより,組換えLST-03リパーゼをin vitroで活性化することが可能である.活性化された組換えLST-03リパーゼにカルシウムイオンを添加するとさらに活性が高まった.高活性の原因は組換えLST-03リパーゼへのカルシウムイオンの配位とそれに伴う組換えLST-03リパーゼの構造変化が原因であることが示唆された.一方,P. aeruginosa LST-03株の培養上清から調製されたLST-03 リパーゼと組換えLST-03リパーゼの有機溶媒安定性は大きく異なっていた.in vitroで活性化した場合,組換えLST-03リパーゼとリパーゼ特異的分子シャペロンは結合した状態であることから,組換えLST-03リパーゼに結合しているリパーゼ特異的分子シャペロンは,組換えLST-03リパーゼの有機溶媒安定性に大きく影響することがわかった.
著者
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安田 昌弘
大阪府立大学大学院工学研究科物質・化学系専攻化学工学分野
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荻野 博康
大阪府立大学大学院工学研究科物質・化学系専攻化学工学分野
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河田 拓也
大阪府立大学大学院工学研究科物質・化学系専攻化学工学分野
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井上 相祐
大阪府立大学大学院工学研究科物質・化学系専攻化学工学分野
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