神経障害性疼痛に対しガバペンチン投与後に発症した,終末期がん患者におけるミオクローヌスの2例
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概要
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終末期がん患者の神経障害性疼痛に対してガバペンチンを投与後, ミオクローヌスを認め, 中止後すみやかに改善した2症例を経験した. 患者1: 70歳代, 女性. 子宮肉腫, 腰椎浸潤. 左下肢の疼痛にガバペンチン200mg/日を投与. 4カ月後, 増量し400mg/日投与としたところ, 増量3日後より左上肢に周期の早い攣縮が出現し, ミオクローヌスと診断した. ガバペンチン投与を中止し, 2日後に回復した. 患者2: 80歳代, 男性. 左腎細胞がん. 下肢の疼痛に対しガバペンチン200mg/日を投与. 開始翌日より広範囲の攣縮を認め, ミオクローヌスと診断. 中止翌日にほぼ改善した. ミオクローヌスはガバペンチンのまれな副作用ではあるが, 終末期がん患者では, 低用量でも発症する可能性が示唆された. また, ミオクローヌスの発症にガバペンチンが寄与する程度は多様と推測されるが, 症状改善にはガバペンチンの投与中止が重要であり, 中止後は早期の改善が期待できる. Palliat Care Res 2010; 5(1): 308-313