カルバペネム耐性緑膿菌検出に影響を及ぼす危険因子の検討
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概要
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2005〜2007年の3年間,当病院入院患者において,カルバペネム系薬を対象とし,そのantimicrobial use density (AUD),緑膿菌の耐性率及び交差耐性率を検討した.また,耐性緑膿菌検出関連要因の疫学的検討も行った. カルバペネム系薬全体のAUD (2005年13.63±3.43, 2006年17.06±2.31, 2007年17.97±4.37)は有意な増加であった.なかでもmeropenem (MEPM)のAUDの増加が顕著であった.MEPM耐性率は2005年の6.9%と比べ2007年では12.0%と有意に上昇した.Imipenem/cilastatin (IPM/CS)耐性株及びpanipenem/betamipron (PAPM/BP)耐性株のMEPM耐性率は2005年ではそれぞれ50%, 44.2%であったが,2007年には79.5%, 65.3%と急激に上昇した.症例対照研究からカルバペネム系薬使用歴(オッズ比:7.55, 95%信頼区間:2.96-19.23, p<0.0001),中心静脈カテーテル挿入(オッズ比:2.89, 95%信頼区間:1.19-7.02, p=0.019)の2因子が危険因子と考えられた.また,耐性群では有意に総使用量が多く(耐性群16.8±11.2 g,感性群10.2±5.25 g),延べ投与期間が長かった(耐性群17.1±11.6日,感性群9.96±4.85日).一処方当りの最大投与期間(耐性群11.5±5.3日,感性群9.25±3.74日)に有意差はなかった.本研究により,耐性菌出現防止には不必要な抗菌薬投与を避け,必要な場合でもその使用を10日までに止めることが重要であると考えられた.
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