局所皮膚冷却による,血液透析穿刺痛の軽減効果
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概要
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内シャント穿刺に伴う疼痛は,血液透析を施行する上で,頻繁に認められる問題である.われわれは,11名の血液透析患者で,内シャント穿刺に伴う疼痛を,穿刺局所を20度に冷却した場合(cool down:CD),リドカイン貼付を使用した場合(lidocaine patch:LP),何もしなかった場合(control:C)で比較した.各々の血液透析患者で,CD,LP,Cによる血液透析を3回ずつ施行した.穿刺時の疼痛は,疼痛スコア(0:lack of pain, 10:unbearable pain)を使用し,各々の患者で,CD,LP,Cそれぞれの3回の穿刺時痛を合計して比較した.穿刺局所の温度は,CDで21.0±2.3℃,LPで34.7±0.7℃,Cで34.9±1.4℃であった.3回の穿刺痛の合計は,CD:9.8±4.7,LP:9.3±6.8,C:15.3±6.4であった(CD vs. LP:p=n. s., CD vs. C:p=0.0012, LP vs. C:p=0.0002).LPの使用では,局所の発赤,掻痒が時折みられたが,CDでは,副作用はみられなかった.穿刺局所の冷却は,血液透析患者の内シャント穿刺時の痛み軽減に有効な方法と考えられた.
著者
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大門 正一郎
だいもん内科・腎透析クリニック・腎臓内科
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瀬戸 利子
だいもん内科・腎透析クリニック・腎臓内科
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保志場 紀子
だいもん内科・腎透析クリニック・腎臓内科
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武市 道代
だいもん内科・腎透析クリニック・腎臓内科
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松山 美紀
だいもん内科・腎透析クリニック・腎臓内科
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澤崎 真由美
だいもん内科・腎透析クリニック・腎臓内科
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上田 律子
だいもん内科・腎透析クリニック・腎臓内科
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中嶋 桂子
だいもん内科・腎透析クリニック・腎臓内科
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段 一志
だいもん内科・腎透析クリニック・腎臓内科
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藤井 博
金沢大学医学部リウマチ膠原病内科
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川野 充弘
金沢大学医学部リウマチ膠原病内科