両側難聴および左顔面神経麻痺で発症した肺腺癌由来髄膜癌腫症の1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
背景.髄膜癌腫症は,悪性疾患の進行した状態で発症し得る予後不良な病態であるが,髄膜刺激症状以外にも多彩な神経学的異常を呈することがある.また,腫瘤形成を伴わない場合,画像診断を行っても確定診断を下すのは困難なことが多い.症例.56歳,男性.病理病期IIIAの肺腺癌に対し左下葉切除術および化学療法を施行された.術後9ヶ月目より右難聴・左顔面神経麻痺が相次いで出現し,11ヶ月目に左難聴・一過性意識消失・健忘・失禁などの症状を呈し急激に増悪した.頭部造影MRI検査で側頭葉の脳表に小転移巣を認め,髄液生化学検査の所見と併せ,髄膜癌腫症と診断した.その後全身状態が悪化し,術後13ヶ月目に死亡した.結論.本症例は原疾患の明らかな再発・転移が認められないまま難聴や顔面神経麻痺などの神経症状が進行し,臨床経過と画像所見,および髄液所見を総合して髄膜癌腫症と診断された比較的まれな1例であると考えられた.
著者
関連論文
- 両側難聴および左顔面神経麻痺で発症した肺腺癌由来髄膜癌腫症の1例
- OP-103-6 ICG蛍光法を併用した乳癌患者に対するAxillary Reverse Mapping(ARM)の有用性についての検討(乳癌センチネル-8,一般口演,第110回日本外科学会定期学術集会)
- 15. 術前FEC療法によりpCRの得られた1例 ―投与期間および手術時期についての考察―(第40回埼玉・群馬乳腺疾患研究会)
- 研究・症例 増大する孤立性腫瘤を呈し左肺全摘を施行した非結核性抗酸菌症の1例
- PS-040-5 ICG蛍光法を併用した乳癌患者に対するAxillary Reverse Mapping(ARM)の実用性の検討(PS-040 ポスターセッション(40)乳腺:手術-3,第111回日本外科学会定期学術集会)
- 胸壁多発神経鞘腫の2切除例
- PS-057-1 Axillary Reverse Mapping (ARM)に基づいたSNB陽性例に対する乳癌腋窩手術(SP-057 乳腺 手術手技-1,第112回日本外科学会定期学術集会)
- PS-057-5 皮下乳腺全摘術およびティシューエキスパンダーにより整容性を重視した乳癌外科的治療の有用性(SP-057 乳腺 手術手技-1,第112回日本外科学会定期学術集会)
- PS-208-5 当院における閉塞性大腸癌症例の検討(PS ポスターセッション,第113回日本外科学会定期学術集会)
- VF-063-3 ICG蛍光法Axillary Reverse Mapping(ARM)からみた乳癌センチネルリンパ節陽性例における腋窩戦略(VF ビデオフォーラム,第113回日本外科学会定期学術集会)
- PS-008-1 乳房温存術における整容性を考慮した遊離真皮脂肪片移植の実践(PS ポスターセッション,第113回日本外科学会定期学術集会)
- P1-19-7 内視鏡にて切除した気管支平滑筋腫の1例(症例-5,一般演題ポスター,第36回日本呼吸器内視鏡学会学術集会)