睡眠時無呼吸症候群と心拍変動のフラクタル解析時に認められる異常なパワー値の増大
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概要
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【背景】睡眠時無呼吸症候群(SAS)では,無呼吸の周期と心拍の揺らぎの周期が近似すると報告されている.今回,心拍変動(HRV)のフラクタル解析を用いて,SASの存在を明らかにすることが可能であるかを検討した.【方法】対象は,SAS患者 15例.男性 13例,女性 2例.平均年齢 72歳.ホルター心電図および睡眠時無呼吸検査をSASの治療前後に行った.基本の心調律は全例洞調律.HRV解析は,フラクタル次元を求める手法にて表示した.【結果】無呼吸低呼吸指数はすべての患者で 20以上であった.HRV解析の結果,すべての症例で 0.01〜 0.04 Hzの周波数帯域において異常なパワー値の上昇を認めた.SASの治療後,この異常なパワー値の上昇は減少もしくは消失した.【結語】異常なパワー値の増加は SASの呼吸の揺らぎを反映していると考えられ,これを確認することは SASの存在を予見し,かつ治療効果を確認するうえで,有効と考えられる.
著者
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