温度上昇による結合長の伸びと反応開始温度の相関の評価
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概要
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自己分解性の化学物質としてNitrobenzeneの1置換体を例にとり,分解反応の開始温度と温度上昇による結合長の伸びとの相関を評価した.温度上昇による結合長の伸びの評価には,量子化学計算により調和振動子近似を用いた基準振動座標とCartesian座標とのunitary変換と,振動数とを計算した結果を用いて二乗平均として算出したものを分配関数を利用することで,温度の影響を取り込んだ.標準的なデータで分配関数自体を比較することで量子化学計算の手法の評価を行った結果,計算負荷の軽い半経験的分子軌道法のPM3でも計算が可能であることを確認できた.伸びの評価についてPM3で計算した結果,置換基とbenzene環が共役していないものについては,反応開始温度の低いものほど伸びが大きいことが示された.