腰痛:疼痛誘発の有無によって疼痛領域に違いがあるか?
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概要
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疼痛を誘発する場合と誘発しない場合の2通りの方法で腰痛の領域を同定し,その違いを検討した.疼痛領域の同定手順は,誘発しない同定では疼痛を自覚しない立位中間位で,誘発する同定では腰痛を誘発した姿勢で,疼痛領域の輪郭を患者に示指で示させ,その再現性を確認後,輪郭を皮膚に記入した.疼痛を誘発する同定と誘発しない同定で,再現性の有無,領域の面積,領域の正確性,領域の分布および部位数を比較検討した.その結果,誘発する同定の方が高い再現性があり,得られる領域の面積が有意に小さく,より正確な領域を示した.また誘発の有無によって領域の分布が異なる例が多く,誘発する方が領域の部位数が有意に少なく,領域がより限局していた.したがって,疼痛を誘発することで腰痛の領域をより正確に同定できる可能性が高いと考えられる.
- 日本腰痛学会の論文
著者
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村上 栄一
仙台社会保険病院
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菅野 晴夫
東北大学整形外科
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奥野 洋史
東北大学整形外科
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田中 靖久
東北中央病院整形外科
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菅野 晴夫
東北大学医学部整形外科学教室
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奥野 洋史
東北大学医学部整形外科学教室
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村上 栄一
釜石市民病院
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田中 靖久
東北中央病院
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奥野 洋史
東北大学医学部整形外科
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菅野 晴夫
東北大学医学部整形外科
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