腰殿部痛に対する中国鍼を用いた電気刺激療法について
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概要
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中国鍼を用いた電気刺激療法は, 坐骨神経ブロックの刺入部位と同じ左右の坐骨神経が梨状筋部より出てくる部位 (針灸の秩辺穴 : BL54) に経皮的に三寸の中国針を刺入して下肢への放散痛を得た後, その針に低周波の電気を15分間通電して治療する方法である. VASにて909症例の除痛効果を判定した結果, 74.9%が改善していることがわかった. この治療の長所は局所麻酔剤を使わないために安全でかつ治療後安静をとらせる必要がないことであり, また症状の原因となる疾患を考慮することなく治療ができる点である. しかし優れた除痛効果があるので診断が遅れないように注意しなければならない. 考えられる短所としては刺入部の痛み, 出血, 硬結形成, 神経損傷, 感染などであるが, 頻度は非常に少ない. 薬物療法と併用すればこの方法は安全でかつ有効な補完療法である.