苓姜朮甘湯と桂枝茯苓丸の合方による慢性腰痛症に対する治療経験
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概要
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慢性腰痛症に対して苓姜朮甘湯と桂枝茯苓丸の合方を使用し著効した3例を経験したので若干の考察を併せて報告する.対象は,外来にて3カ月以上さまざまな保存治療を行ったが,症状が改善せず難治性であった3例である.男性1例,女性2例,平均年齢は78歳であった.薬剤投与後,定期的に腰痛,下肢痛,しぴれに関してVAS(Visual Analog Scale)で評価した.3例とも投与後1〜2週で腰痛は著明に改善した.下肢痛,しびれに効果はなかった.苓姜朮甘湯の投与目標である,腰以下の冷え,頻尿と効果に関連はなかった.苓姜朮甘湯の証は,水滞と関連しているといわれているが,関連がなくとも著効した.臨床症状から推察すると,McKenzieの難治性内障症候群が主に関与する慢性腰痛症に効果があることが判明した.これが,即すべての慢性腰痛症の特効薬になるとはいえないが,水滞,血には西洋医学的治療は効果が少ないことから,使用してみても良いと考える.
著者
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