Na`+´/K`+´-ATPaseとオリゴマイシンの相互作用
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概要
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Na<SUP>+</SUP>/K<SUP>+</SUP>-ATPaseは全ての動物細胞膜に存在する膜酵素である。そして,ATPの加水分解エネルギーを用いてNa<SUP>+</SUP>を細胞内から細胞外に,K<SUP>+</SUP>をその逆方向に能動輸送するポンプの働きをする。オリゴマイシンはNa<SUP>+</SUP>/K<SUP>+</SUP>-ATPaseへのNa<SUP>+</SUP>結合親和性を上げるがK<SUP>+</SUP>結合には影響しない。またNa<SUP>+</SUP>輸送を阻害するが,K<SUP>+</SUP>輸送にはほとんど影響しない。さらに,ATPase活性を阻害するが,その部分反応であるNa<SUP>+</SUP>依存性のリン酸化中間体形成反応,及びK<SUP>+</SUP>依存性のリン酸化中間体分解反応はほとんど阻害しない。しかしNa<SUP>+</SUP>と一緒に加えると,低K<SUP>+</SUP>濃度で後者の分解反応を促進する。このような阻害剤は他に見当たらない。その阻害機構を知ることはNa<SUP>+</SUP>/K<SUP>+</SUP>-ATPaseによるイオン輸送機構の解明に貢献するだろう。ここでは,Na<SUP>+</SUP>/K<SUP>+</SUP>-ATPaseとオリゴマシンの相互作用について解説する。