高濃度石炭−水スラリーの粒度分布に基づく粘度モデルの提案
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概要
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近年の石炭有効利用,特に低品位炭CWMにおける流動化技術および微粒子製造法などを考慮し,CWMに対する従来の充填率のみに依存しない粒度分布に基づく半経験的な粘度モデルの提案を検討した.モデル導出では,懸濁液中粒子群の平均粒子間液膜厚さの概念を出発点に粘度モデルの提案を行った.また,凝集性スラリーのレオロジーモデルを基にCWM本来の特徴である非ニュートン性への拡張も試みた.さらに,モデルパラメータとなる比表面積,空間率の粒度分布からの算出法についても同時に検討および改良を実施した.その結果,提案したスラリー粘度式に基づいた推定結果を実測データと比較したところ,両者には正の相関が見られモデルの有効性が示唆された.その際,粒子群の空間率の算出に用いた補正が有効であった.このモデルより,たとえ粒子群の空間率が小さな試料でも微細粒子の増加により比表面積が増大すれば,スラリーの粘度は空間率の大きな試料より増大することを定量的に明らかにすることができた.