消化管閉塞症例における消化管バイパス手術の意義─食事摂取改善率からの検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
【背景】がんによる消化管閉塞に対して行う消化管バイパス手術は, 必ずしも十分な効果をもたらさない. そこで, バイパス手術による食事摂取の改善の程度を評価した.【対象と方法】バイパス手術後に原病死した30例で, 手術前後に食事摂取が不能であった期間および可能であった期間を調査した. 「食事摂取が不能となってから死亡するまでの期間」に対する「バイパス手術後に食事摂取が可能であった期間」の割合(食事摂取改善率とする)を算出した.【結果】食事摂取改善率の平均値は41%であった. 5%未満の症例は大腸がんにはなかったが, 胃がんは9例中1例, 膵胆道がんは12例中5例, 尿路がんは2例中1例であった.【結論】食事摂取が不能となってから死亡するまでの期間のうち, 41%の期間においてバイパス手術は食事摂取を改善した. がんの原発部位による食事摂取改善率の差異が示唆され, さらに多くの症例で手術適応を詳細に検討していく必要がある. Palliat Care Res 2009; 4(2): 235-239
- 日本緩和医療学会の論文
著者
関連論文
- 症例 腹腔鏡手術で切除した肝外発育型肝血管腫の1例
- 十二指腸に浸潤した大腸癌肝転移の1切除例
- 示2-153 十二指腸胆管温存膵頭切除後、胆管十二指腸吻合を施行した慢性膵炎症例(第41回日本消化器外科学会総会)
- 示-61 G-CSF 産生膵癌の1例(第42回日本消化器外科学会総会)
- 2208 膵尾側切除後異時性に発生した浸潤性膵管内乳頭腺癌に対して残膵全摘を施行した1例(膵悪性症例3,一般演題,第61回日本消化器外科学会定期学術総会)
- 0618 Electrolyte depletion syndromeを呈した直腸villous tumorの1例(肛門良性,一般演題,第61回日本消化器外科学会定期学術総会)
- 症例 膵尾側切除後異時性に発生した浸潤性膵管内乳頭腺癌に対して残膵全摘を施行した1例
- 消化管閉塞症例における消化管バイパス手術の意義─食事摂取改善率からの検討
- P-3-41 当科における腰痛に対する塩酸ゲムシタビンの使用経験(胆・膵 症例7,一般演題(ポスター),第63回日本消化器外科学会総会)
- P-2-675 AFP産生胆嚢癌異時性孤立性肝転移の1切除例(胆 症例 悪性腫瘍2,一般演題(ポスター),第62回日本消化器外科学会定期学術総会)
- P-2-617 FDG-PET検診を契機に発見された虫垂神経鞘腫の1例(大腸・肛門 虫垂腫瘍2,一般演題(ポスター),第62回日本消化器外科学会定期学術総会)
- 臨床経験 膵癌に対する塩酸ゲムシタビンの使用経験