音楽療法における評価
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概要
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音楽療法は広義(音楽健康法)と狭義(治療目的)に大別でき,後者では実践を通じて経時的に観察し評価を行う.頻度が高い高齢者対象のセッションでは,長期目標として,健常者には心身の諸機能低下を予防して認知症を回避し,認知症や脳血管障害者には諸機能低下を改善および維持し,重篤な病態や緩和ケアの患者には QOL の向上を目指す.評価法として,板東法では感覚,行動,ADL/QOL など 20 項目を,佐治法では積極性,持続性,協調性,情緒性,知的機能,歌唱演奏,手の操作,歩行式,身体の円滑さ,返答など 10 項目を評価する.松井は音楽療法診断表(一般用)と音楽療法評価表(老人用)をまとめ,北本(卯辰山)式,岡崎・門間式,赤星式などもある.日本音楽療法学会認定の音楽療法士が増加し,2009 年 3 月には東京で第 1 回アジア音楽療法シンポジウムも開催された.音楽療法は補完代替医療の中で他の療法との併用も試みられ,さらに重要となりつつある.