鹿林山バックグラウンドステーション:台湾の新しい高所観測拠点
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概要
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台湾は, 東アジアおよび東南アジアの風下側に位置しているが, 両地域は世界の主要な大気汚染発生源であり, 大気汚染物質の越境輸送および台湾に与える影響について研究するため, 新たな高所大気バックグラウンド観測所としてLulin Atmospheric Background Station (LABS) が設立された。正式運用が開始された2006年4月13日 (開所式の日) から2007年7月31日までの間に観測された全体的な平均濃度はそれぞれ, CO : 91 ppb, O3 : 29 ppb, PM10 : 10 μg m-3, ガス状水銀/元素状水銀 (GEM) : 1.63 ng m-3 であった。汚染物質濃度の季節変動は明らかであり, 気塊が多かれ少なかれアジア大陸の影響を受ける秋季から春季に, 通常, 高濃度になることが観測された。気塊の輸送経路に示される季節性パターンは汚染物質濃度の変動パターンに合致しており, 地域規模 (総観規模) の長距離輸送の重要性を呈している。
著者
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SHEU Guey-Rong
Department of Atmospheric Sciences, National Central University
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LIN Neng-Huei
Department of Atmospheric Sciences, National Central University
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WANG Jia-Lin
Department of Chemistry, National Central University
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LEE Chung-Te
Graduate Institute of Environmental Engineering, National Central University