韓国における農産物安全システムの現状と発展方向
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
食品安全に関する消費者の関心が世界的に高まるにつれ,食品に関する安全システムは拡散している.韓国では安全農産物の生産と消費体系を構築するための政府の積極的な広報と教育によりGAP,トレーサビリティ(Traceability)・システムが急速に普及している.生産者はGAP・トレーサビリティに参加することによって,農産物の販売価格が市場で高く形成されることを期待している.しかし,流通業者,消費者の認識不足や生産量不足により市場でさほど高く評価されておらず,一部の生産者は参加の中止または見送りをしている事例が少なくない.なお卸売市場ではトレーサビリティが実行されておらず,生産者からの要望が高まっている.このように,トレーサビリティ・システムの導入の活性化のためには生産及び流通過程で現れている問題点,すなわち農家や流通業者の認識の転換,卸売市場でのトレーサビリティの確立などの問題解決をはかって行くごとが求められている.
- 農業情報学会の論文