β1,3-結合糖転移酵素ファミリーのクローニングと機能解析
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概要
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ほとんどの生物はその多くの生体分子の上に多種多様な糖鎖を有している。糖タンパク質 (O-結合型糖鎖およびN-結合型糖鎖) 、糖脂質、あるいはプロテオグリカンなどの複合糖質は多くの糖転移酵素の反応によって生じる二次的な産物である。細胞表面上の糖鎖抗原は多くの糖転移酵素遺伝子によって制御されている。バイオインフォマティクス技術はゲノミクスあるいはプロテオミクスのみならず、グライコプロテオミクスの分野においても非常に強力なツールとなっている。バイオインフォマティクス技術は糖転移酵素遺伝子の網羅的探索やin silico クローニング (情報処理により得られた探索情報からのクローニング) をさらに加速させている。糖転移酵素遺伝子は糖鎖合成において重要な役割を担っており、その生物学的な機能の解析が行われてきた。現在では、173種類以上のヒト糖転移酵素遺伝子や硫酸転移酵素が同定・クローン化され、糖鎖合成活性やその生物学的機能を解析するために、様々な系において発現に用いられている。これらの糖転移酵素のリコンビナントタンパク質は、その酵素活性や基質特異性を明らかにしてきた。本稿ではこれらバイオインフォマティクス技術などによりクローニングされてきたβ1,3-結合糖転移酵素ファミリーの基質特異性などの酵素学的解析や機能について紹介していきたい。
著者
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Narimatsu Hisashi
Glycogene Function Team Research Center For Glycoscience (rcg) National Institute Of Advanced Indust
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Narimatsu Hisashi
Glycogene Function Team, Research Center for Medical Glycoscience, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST)
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Togayachi Akira
Glycogene Function Team, Research Center for Medical Glycoscience, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST)
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Sato Takashi
Glycogene Function Team, Research Center for Medical Glycoscience, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST)
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Iwai Toshie
Glycogene Function Team, Research Center for Medical Glycoscience, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST)
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