Rho情報伝達経路とその生理的意義
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概要
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低分子量GTP結合タンパク質Rhoはアクチン細胞骨格の再編成を介し,細胞運動·接着·細胞質分裂などおおくの細胞反応の調節分子として機能している.Rhoは,他のGTP結合タンパク質と同様に,刺激に応答して,活性型(GTP結合型)となり下流の分子に情報を伝達し,これら多くの細胞反応を調節している.近年,Rho標的タンパク質の同定に伴い,その細胞内情報伝達機構が明らかにされた.また,Rho標的タンパク質の1つであるRho-associated kinaseに対しては,その特異的阻害薬Y-27632の発見により,Rhoを介する情報伝達経路の生体内での機能も解明されつつある.本稿では,Rhoを介する情報伝達機構について現在の知見を紹介するとともに,細胞内情報伝達経路に関わる分子の薬物標的としての可能性について論じる.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
- 2003-03-01
著者
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石崎 敏理
Max-planck Institute Molecular Physiology Dortmund
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石崎 敏理
京都大学大学院医学研究科神経細胞薬理学教室
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石崎 敏理
京都大学 大学院医学研究科神経細胞薬理学教室
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