抗アレルギー効果のある茶葉成分
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概要
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茶に含まれている主要カテキン,エピガロカテキンガレートの 2 倍強の抗アレルギー活性を持つメチル化カテキン(エピガロカテキン-3-O-(3-O-メチル)ガレート)を「べにふうき」(1993 年野菜茶業研究所枕崎育成)などの特有の茶品種に見いだした.「べにふうき」茶葉中のメチル化カテキンは,発酵(紅茶製造)で消失し,下位葉に多く含まれ,本州では 2 番茶,3 番茶で含量が高まることを明らかにした.「べにふうき」は,輪斑病,炭疽病に抵抗性があり,樹勢が強く非常に多収な香りの良い品種である.メチル化カテキンの作用機作は,初期アレルギーで重要なマスト細胞内の情報伝達系抑制(チロシンキナーゼ活性化抑制,高親和性 IgE 受容体発現抑制,ミオシン軽鎖リン酸化抑制)による脱顆粒抑制であり,「べにふうき」緑茶は,ヒトボランティア試験でスギ花粉症,通年性アレルギーの症状を軽減した.それを受け,食品メーカーと共同で「べにふうき」緑茶容器詰め飲料及び菓子を開発した.