Fanconi-Bickel症候群の遺伝子解析
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概要
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Fanconi-Bickel症候群は常染色体劣性遺伝形式をとる,ガラクトース代謝異常と特異な近位尿細管異常を同時に生ずる他の糖原病とは異なった病態を示すまれな疾患である1)2)。 1997年,本疾患の責任遺伝子がグルコース輸送蛋白の1つであるGlut2であることが同定された3)。我々は日本人Fanconi-Bickel症候群2例の遺伝子解析を施行したところ,1例ではexon6のCがTへ変異し,その結果365Argがストップコドンへ置換された対立遺伝子 (R365X) と,exon9においてTがCへ変異した結果444TrpがAlaに置換された対立遺伝子 (W444A) の複合ヘテロ接合体,もう1例ではexon3においてCがTへ変異し,その結果53Argがストップコドンへ置換されたホモ接合体 (R53X) であった。今回検索した4つの対立遺伝子中,3つの対立遺伝子に新しい変異が同定され,W444Aは2番目のミスセンス変異であった。GLUT2の11番目の膜貫通部分に位置する444番目のTrpはグルコース輸送蛋白であるGLUT1から5で保存されているアミノ酸であり,グルコース輸送蛋白の機能を保持するのに重要なアミノ酸であることが推測された。
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