海外論文紹介 : Nephrogenic Syndrome of Inappropriate Antidiuresis in Adults: High phenotypic variability in Men and Women from a Large Pedigree

概要

 Nephrogenic syndrome of inappropriate antidiuresis (NSIAD) は遺伝性の低Na血症を来す疾患で, 男性乳児例が報告されている。成人および女性にもこの疾患が存在するか否かは不明であった。本論文はNSIADの原因遺伝子であるバソプレシン (AVP) のV2受容体 (AVPR2) の変異R137Cを有する5世代にわたる大家系の報告である。男性ヘミ接合体3人と女性ヘテロ接合体4人が同定された。1女性患者を除く全員に水負荷試験への異常反応または低Na血症のエピソードがあった。NSIADは男性, 女性成人にもみられることが示された。 Syndrome of inappropriate antidiuresis (従来のSIADHと同義語) の10〜20%の患者において血中AVP濃度は測定感度以下である。最近, 低Na血症, 水排泄障害, 血中AVP濃度低値の3ヵ月の男児2例が報告された。原因としてAVPR2の機能獲得型変異が同定されている。この著者らは, この病態をNSIADと呼ぶことを提唱している。AVPR2はX染色体上に存在するため女性ヘテロ接合体も何らかの症状を呈することが期待されるが, 報告例の母親の血清Na濃度は正常であった。今回, AVPR2拮抗薬の第III相治験中にこれらの薬剤に不応な74歳のSIADH患者が見つかり, 報告例と同じAVPR2のR137C変異が同定された。家系調査により2例の男性ヘミ接合体と4例の女性ヘテロ接合体が同定された。

著者

粟津 緑 慶應義塾大学 小児科

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