第8回:不正競争防止法による知的財産権侵害の規制の現状
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概要
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不正競争防止法は競争法の体系であり,独禁法などとともに,事業活動における行動基準・ルールとしての役割の一翼を担っている。同時に知的財産法の体系でもあり,工業上,商業上の公正な慣習に反する行為を規制することを目的とし,その規制を通じて,反射的に知的財産が不正な侵害から保護されることになる。また,設計図,実験データ,顧客リストのような財産的価値を有する営業秘密の不正な取得を,民事上の規制とともに刑罰をもって防止するものである。同法は,平成5年の全面改正から平成15年改正法に至る数次の法改正を経て,知的財産法上ますます重要な地位を占めるようになってきており,訴訟も増加している。今回は,最新の不正競争防止法の概要と,同法による知的財産権侵害の規制の現状について報告する。