燃料電池用LPGの吸着剤による常温脱硫 : 硫黄化合物の吸着特性
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概要
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LPGにはチオール類,スルフィド類,ジスルフィド類などの種々の硫黄化合物が5〜10 volppm程度含有されており,LPGを燃料電池の水素源として利用するには硫黄含有量をppbレベルにまで除去する必要がある。2-メチル-2-プロパンチオール(TBM: t -Butyl Mercaptane),ジメチルスルフィド(DMS),ジメチルジスルフィド(DMDS),硫化カルボニル(COS)の4種類の硫黄化合物を添加したプロパンを用いて活性炭,CuO/ZnO/Al2O3,Ag交換βゼオライト,Ag/CeO2の4種の脱硫剤について常温での吸着脱硫特性を調べた。活性炭では硫黄化合物の除去が困難であった。CuO/ZnO/Al2O3ではTBMについては優れた脱硫特性を示したが,DMSは短時間で吸着破過した。Ag交換βゼオライトはTBM,DMS,DMDSについては優れた脱硫特性を示したが,COSの脱硫が困難であった。Ag/CeO2は全ての硫黄化合物を除去することができ,特に他の吸着剤に比べてCOSの脱硫特性に優れていた。また,CuO/ZnO/Al2O3と同様に反応性が高い硫黄化合物ほど吸着除去しやすい。Ag交換βゼオライトでは硫黄化合物は分子状吸着し,硫黄原子の負の電荷が大きいほどAgカチオンと硫黄原子が強い配位結合を示す。一方,Ag/CeO2では室温においても硫黄化合物が解離し,原子状硫黄となり吸着する。
- 社団法人石油学会の論文
- 2007-07-01
著者
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松本 寛人
出光興産(株)中央研究所
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松本 寛人
出光興産(株)
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高津 幸三
出光興産(株)中央研究所
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竹越 岳二
出光興産(株)中央研究所
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勝野 尚
出光興産(株)中央研究所
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河島 義実
出光興産(株)中央研究所
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