中小製造企業の生残りのための技術経営戦略 : ―縫製企業の事例から分析する市場・生産資源・生産地選択―
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概要
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生残りに成功している中小企業5社の事例を分析し、次の4つの点を指摘した : (1) 市場により付加価値の源泉はそれぞれ違う、(2) 付加価値の源泉の違いは、各社における情報の在り方 (デジタル情報か、非デジタル情報か) に影響を及ぼしている、(3) 情報をデジタル化している企業は、非デジタルの企業に比べて、より自由に生産地を選ぶことが出来ている、(4) デジタル化情報を扱う企業の中でも、高度な人的資源管理を持つ企業は、さらに自由に生産地を選択することが出来ている。こうした分析から、労働集約的部門に属している企業であっても途上国生産が生残りの万能薬ではないこと、むしろ、市場の要求、生産資源の特徴、生産地の3つを慎重に適合させる優れた技術経営が生残りにとって重要であるという結論に至った。