キジムシロ屬の Pseudogamie に關する遺傳學的細胞學的研究
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概要
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(1) キジムシロ屬植物中歐洲原産の8種即ち Potentilla aurea, P. nevadensis, P. hirta, P. intermedia, P. levieri, P. gelida, P. degeni, P. chrysantha に於ては, その花より雄蕋を除き, これをパラフィン紙袋で覆ひ柱頭に花粉の附着するを防ぐときは全然種子を生じないが, これを他種の花粉で受粉せしむるときは種子を生ずるので, 一見受精が起つたやうに見えるが, 然しこの種子から母植物と同一のもののみが生ずるので, この際に Pseudogamie が起つてゐるのである。(2) Pseudogamie の起る前記8種中の1種 P. hirta の胚嚢母細胞の核分裂を觀察するに,染色體數の半減が行なはれず, 接合子染色體數が出現し, 接合子染色體數を有する卵細胞が作られる。(3) 接合子染色體數を有する卵細胞は花粉管が胚嚢に侵入すると發育をはじめる。花粉管の侵入が恐らく卵細胞に對し發育に必要な刺戟を與へるものと考へられる。
著者
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