三倍体クロユリの減數分裂
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概要
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三倍体クロユリ (3x Fritillaria camschatcensis, 2n=36) の花粉母細胞の減数分裂で, 12基本染色体構成員の大多数のものは三価体を形成する (細胞単位平均値10.28III, 第2表). この高い三価体形成頻度に, 染色体による相違 (M, S1 及び S2)は, 認められない (第3表).第一中期の三価染色体は, 大部分動原体接合である (第4表). 動原体接合に関する三価体の3型(IIIK, IIIK, IIIk) は3相同染色体の偶発的な機会によつて生ずるものではない.三価体は第一後期で大部分が1-2の分離をする. 1-1の分離をして1本が中間部に残される場合は, M染色体の方がS染色体より多い (第6表).第一中期の一価染色体 (平均値1.72I) の30-50%が第一後期で遅滞行動をとる (第一後期の一価体平均数0.62, 第6表). 遅滞行動をとらずに, いずれかの娘核中に含まれてしまう一価体は, S染色体の方がM染色体より多い.染色体の橋及び破片が高い頻度 (第一後期で8.48%, 第5表) で観察された. この橋形成はM染色体の方が多い(第7表). 遅滞一価体の殆んど全部は第一終期で分離し別々に膜に包まれて小核を形成する.