培養した腫瘍細胞に及ぼすマイトマイシンの影響 (予報)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
組織培養した紡錘形細胞肉腫におよぼすマイトマイシンの影響を細胞学的, 細胞化学的に研究した。マイトマイシンは特に静止期にある細胞に第一義的に作用し核のDNAおよび仁のRNAの構成に変化を起こし, 細胞の機能を乱し崩壊に導くようである。核は形態的に著しい変化を受けると同時に, その染色質は染色性を失う。特に核染色質の異常な変形と変質を引き起こす。仁もまたその形態, 染色性に著しい変化を起こし, ついには仁物質は細胞質内に流出する。細胞質には多数の空胞が現われる。分裂期の細胞においては染色体に著しい切断や染色体橋の形成がみられ, 分裂ははなはだしく乱される。仁に著しい変性を起こす点においてマイトマイシンの効果は特異である。
- 日本遺伝学会の論文