最少培地交配法によって作られた3倍体酵母の遺伝学的分離
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概要
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Saccharomyces chevalieri の雌雄同株2倍体と S. cerevisiae の雌雄異株1倍体との最少培地交配によつて作られた3倍体 (H-981 と H-986) の子嚢胞子の顕微解剖を行なつた。H-981 の胞子発芽率は極めて低く (11.1%), 発芽胞子の生育は途中で停止した。H-986 の発芽率も2倍体雑種より低い (38.8%)。H-986 の4分子分析の結果, 理論的に期待できない性行動を示す segregant が見られた。また, 理論値と一致しない分離比が得られた。この結果から, 還元分裂中に1価染色体が消失し, そのため異数体となる胞子が生じ, その多くが発芽能力をもたないものと推定される。
- 日本遺伝学会の論文