猫の染色体研究
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概要
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生後2日及び3日の種々の毛色を有する猫の腎及び心臓を組織培養し, その染色体を水処理押しつぶし法によって観察した。今回調査した限りでは猫の染色体は毛色に関係なく一定で, 染色体数は2n=38が確認された。比較的優秀な核板12個のスケッチと写真によって, 個々の染色体をその形態的特徴, 特に大きさ並びに着糸点の位置により比較観察し, 詳細に分析した (Figs. 4-5)。常染色体では3対の大型染色体, 2対の棒状染色体, ならびに大形の satellite をもつ次端部着糸の小型染色体が1対存在する。性染色体はXXXY型で, X染色体は第14番目の常染色体にきわめて近い大きさの次中部着糸型染色体であり, Y染色体は最小の常染色体とほぼ等しい大きさの次端部着糸型染色体である。生後3日目の雉三毛と思われる1頭の雄の腎の培養に成功し, その染色体を調査したところ雄の核型を示した (Figs. 6 and 9)。この結果と関連して三毛雄猫の成因に関して考察を試みた。
- 日本遺伝学会の論文