多足類の染色体研究 第I報 : ゲジの染色体、特に性染色体の後還元的分裂について
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概要
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ゲジ Thereuonema hilgendorfi Verhoeff.の染色体を研究した。(1) 雄の染色体数は 2n=36、n=18、雌の染色体数は 2n=36 である。(2) 性染色体は、〓 はXY、は は2Xである。Xは3節構造の巨大な棒状、Yは2節構造の やゝ小さい棒状である。常に核板の中央部に位置する。(3) 第一分裂においてXとYは接合してX-Y複合体をつくるが、縱裂によつてその各々 は均等的分離をする。XとYの分離は第二分裂の際に後還元的に行われる。(4) 染色体の形態と行動の上から考えて、ゲジの染色体は Diffuse kinetochore をも つ Chromosoma pleuromiticum に屬するものではないかと想像される。(5) X-Y型性染色体の成立について、常染色体との複合が考察された。