栽培稻の地理的分化に關する研究 : 第II報 花青素に依る栽培稻の地域別分類
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概要
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(1) 九州帝國大學農學部附屬農場に於て大正11年以來内外各地より蒐集して經續保存されてゐる1098品種の栽培稻につき出穗後乳熟期頃迄に出現する花青素その他の色調に基き次の4群に大別した。第 I 群 植物全體緑色品種……749第 II 群 稻體の何處かに赤色を呈する品種……160第 III 群 稻體の何處かに紫色を呈する品種……146第 IV 群 稻體の何處かに花青素以外の色調を呈する品種……43(2) 次で稻體各部即ち節間•節•葉身•葉耳 (葉節•葉舌) 葉鞘内側•葉鞘外側•護頴•柱頭•内外頴•〓先 (芒) の10部位に於ける色の存否並に發現樣式に從ひ2, 3, 4群を更に夫々17, 40, 5の小階級に分級し合計63階級に從ひ原産地別に, それ等階級別の品種數を明かにした。(3) 蒐集地域を日本内地•朝鮮•臺灣•滿洲•支那•印度•比律賓•ロシヤ•伊太利•布哇•北米合衆國•南米•アフリカの13地區に分ちそれらの一部分に關しては粳糯別に取纒め更に日本内地に關しては畸型稻を特殊品種として取扱つた。(4) 前記 (1) (2) の分類に從ひ原産地別, 粳糯別に檢討し, 糯品種は粳品種に比し色の發現が複雜で多數の出現樣式の階級を包含し, 他方地域別には或特定の發現樣式が夫々孤立して存在し色の發現樣式が地理的分化性を示してゐる事を論じた。終りに本研究は文部省科學研究費の補助に依る研究の一部である事を記して謝意を表す。
著者
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