「別府の算術」に関する一考察 : 河野三五郎の算術教育
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
大正期,九州の別府南尋常小学校では,「約説的教育」が唱導された.「約説的教育」とは,ヘッケルによる「個体発生は系統発生を反復する」という発生学の「約説原理」を,あらゆる教育実践に適用し,その効果を上げようというものであった.その代表的実践家こそが,河野三五郎である.大正期の新主義教育は百花繚乱.その一つとして,別府の「約説的教育」は開花した.河野は,算術教授法としての「質問戦」や,問題解決法としての「作図解法」を編み出し,「約説原理」に基づき,児童の「数心象」の発達に沿って,綿密な算術の指導段階を設定した.それは,徹底的とでもいえる算術教育の方法論的整備であった.本稿では,「別府の算術」として知られる河野三五郎の算術教育に光を当て,算術教育方法史的考察を与えることにする.
- 三重大学教育学部の論文
- 2014-03-31
三重大学教育学部 | 論文
- アメリカにおける1936年ベルリン・オリンピック参加問題に関する研究ノート
- 中学校英語・数学における動機づけと学習方略の関連
- 小学生のコミュニケーション能力を高めるための実践活動が教育学部の学生にもたらす発達的変化 : わくわくコミュニケーションクラブの実践を通して
- 合宿型ロボット製作における中学生のコミュニケーション力の変容 : パフォーマンスアセスメントによる評価を用いて
- 小学生のコミュニケーション能力に対するPerformance Assessment(2) : 活動プログラム(Task)と評価基準(Rubric)の開発