豆腐加工適性に及ぼすダイズ品種「タチナガハ」被害粒の影響
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概要
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有機ダイズを原料としている加工業者は,生産農家から直接取引していることも多く,被害粒の混入割合が高い場合もある。そこで,ダイズ (品種タチナガハ)の被害粒(紫斑粒,吸汁害粒,黒斑粒,食害粒)が豆腐加工適性(主に色と固まりやすさ)に与える影響と,豆腐加工適性を損なわない被害粒の混入割合を検討した。紫斑粒は,豆腐の固まりやすさや味には影響しないものの,種皮が紫色であるため,豆腐の色(明るさや赤み)に影響を与えた。紫斑粒の混入が25%未満なら赤みも整粒と同等になるため,整粒に対する紫斑粒の混入割合は25%未満にすべきと考えられる。吸汁害粒,黒斑粒で作製した豆腐は,色,破断応力,官能評価とも整粒ダイズで作製した豆腐と同等であった。したがって,吸汁害,黒斑粒の混入は本試験で検討した豆腐加工適性には大きな影響はないと考えられる。食害粒は整粒ダイズと比較して,吸水率が高く,浸漬液への固形流出率が増加した。また,豆乳のタンパク質とpHは低下し,豆腐の破断応力が塩化マグネシウム濃度0。3%では増加,0。5%では低下した。食害粒は主に豆腐の固まりやすさや色に影響するものの,混入割合が10%未満なら整粒ダイズと同等になるため,整粒に対する食害粒の混入割合は10%未満にすべきと考えられた。
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