低温伸長性台木が冬季のバラの収量および品質に及ぼす影響
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概要
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バラ品種'ローテローゼ'および'リトルマーベル'を,筆者らが選定した低温伸長性のノイバラを台木として接ぎ挿しすることで,暖房温度18℃では自根に比べ全調査期間の切り花本数は約10%増加し,切り花長は同等となった。また,暖房温度を下げた低温区でも,18℃の自根と比べ切り花本数は同等かやや増加し,切り花長は同等となった。冬季に低温下で栽培すると18℃より切り花本数が少なくなり,自根では'ローテローゼ'で約15%,'リトルマーベル'で約50%の減少となったが,ノイバラ台木を利用すると'ローテローゼ'で同等,'リトルマーベル'で約10%の減少に軽減された。ノイバラ台木を利用すると低温でも推計販売金額は18℃自根と同等か高く,暖房温度を15℃にすることで1本当たりの燃料費が約半分となった。また,低温伸長性台木ノイバラを用いた暖房温度15℃、1,000m2の栽培規模で経済性を評価したところ,約174万円のプラス効果が期待できることが明らかとなった。
- 愛媛県農林水産研究所の論文