リンゴとセイヨウナシにおける強風落果の発生機構および果梗付近の物理的補強処理によるその防止対策
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概要
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リンゴやセイヨウナシの強風落果は,強風による枝揺れのときの果実の慣性力によって,果梗基部(離層形成帯付近)が折損離脱するために起きる。セイヨウナシ2品種('ラ・フランス'および'バートレット')およびリンゴ2品種('紅玉'および'スターキング・デリシャス')とも,果台枝と果梗の肥大生長に伴い,両者境界部のくびれが顕著になり,その先端部は狭い陥没状空隙として内部まで食い込んでいた。このためか,果梗軸に垂直方向の果実離脱抵抗力は平行方向の離脱抵抗力より著しく小さかった。果実の荷重と果梗付近の折れ曲がりを減少させるために,果実収穫期約50日前に,以下の2種類の物理的処理を施した。すなわち,凸状に折りたたんだ2枚の粘着テープで果梗,果台枝および短果枝を固定する処理(十文字テープ区)およびパンチカーペットで果梗,果台枝および短果枝の一部を包みホッチキスで固定する処理(バンチカーペット区)を施した。各収穫期に,果実を振動させたときのビデオ画像を用いて,果梗付近の折れ曲がり角度を測定し,対照区と比較した。その結果,両処理区に大きな効果が認められた。衝撃装置による人工的落果試験の結果,両樹種各1品種('ラ・フランス'および'紅玉')において,両処理による果梗基部の離脱を減少する効果が認められた。
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