アメリカ女性医療宣教師の中国と日本伝道 : メアリ・アナ・ホルブルックの場合(一八八一年~一九〇七年)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
一八八〇年代から一九〇〇年代にかけて北中国ミッションと日本ミッションに赴任した医師の資格を持つ一人のアメリカ女性宣教師の本国宛の書簡を手がかりに、伝道地の主体性、宣教師の専門性、ジェンダーと伝道活動の相互作用を検討した。その結果、伝道活動を決定する要因として伝道地の事情が宣教師個人の専門性より優先することが明らかになった。本事例でホルブルックは中国で専門を生かして診療所開設の上、「医療バイブル・ウーマン」を養成できたのに対し、日本では女子高等教育の中の理科教育、家庭衛生教育の分野で自身の専門性を生かした。女性宣教師はジェンダーの分離を根拠に女性のための伝道を正当化していた上、海外伝道の目的として伝道と女性の地位の向上を矛盾したものとはとらえていなかったので、ホルブルックにとって二つの伝道活動は一貫していたといえる。
- 国際日本文化研究センターの論文
- 2005-03-25
国際日本文化研究センター | 論文
- 興行としての宣教--G・オルチンによる幻燈伝道をめぐって (特集 近代東アジア文化とプロテスタント宣教師--その研究と展望)
- 「未亡人」の家--日本語文学と漱石の『こころ』
- 日清・日露両戦役間の日本におけるドイツ思想・文化受容の一面--総合雑誌「太陽」掲載の樗牛・嘲風・鴎外の言説を中心に (共同研究報告 「総合雑誌『太陽』の総合的研究」中間報告-その2-)
- 「満州」幻想の成立過程--いわゆる「特殊感情」について
- 《三条本洛中洛外図》の人脈について