「絵画の約束」論争 : 「印象」から「象徴」に向かう時代のなかで
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概要
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絵画の約束論争(一九一一~一九一二年)は、木下杢太郎・山脇信徳・武者小路実篤によって交わされた、当時の絵画の評価基準に関する論争である。三人の議論が起こった最初のきっかけは、木下杢太郎が、山脇信徳の絵画についておこなった批評にある。本稿は、論争の中心人物となった三人の言説を明確化し、従来、指摘されてきた「主観」と「客観」の二項対立からではなく、「主客合一」の視点で論争をとらえ直した上で、同時代の芸術傾向と、批評を合わせて考察した結果、三人の芸術観には、共通して「印象」ではなく、「象徴」がベースにあることが分かった。
- 国際日本文化研究センターの論文
- 2010-03-31
国際日本文化研究センター | 論文
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