尾張藩戸山荘の眺望に関する研究
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概要
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尾張藩下屋敷として整備された戸山荘は、近世における大名庭園の中でも内外景観の調和に工夫を凝らした名園である。本稿の目的は、第一に戸山荘における眺望法の特徴を明らかにすることである。そのための方法として、まず地形図の分析から戸山荘の地形を把握する。さらに餘慶堂をはじめとした眺望施設に焦点を絞り、そこから見られる眺望景観を整理する。第二にその特徴が成立した要因を、江戸時代の造園をとりまく歴史的文化的文脈のなかで考察したい。 戸山荘の眺望法は江戸の都市計画や政治との深い関わりから、近世大名庭園の景観形成に大きく影響を与えた。その眺望法の特徴と成立要因を明らかにすることは、庭園景観に潜む大名たちの審美感覚や景観構成の仕方、江戸時代の名園評価の基準などを理解するため、さらには近世における大名庭園の性格を再検討するために重要であると考えている。
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