【書評】井上達夫『世界正義論』(2012年)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本書では、グローバル化の進展する現代社会において避けて通ることの出来ない国際社会の諸問題が取り上げられ、それらが「世界正義(Global Justice)」の問題として論じられている。筆者はまず世界正義なるものの理論上の成立可能性をめぐる議論から出発し(第一章・第二章)、続いて具体的な問題として、国家体制の国際的正統性条件と人権との関係(第三章)、世界的規模での貧困問題の解決を目的とした世界経済における格差是正の問題(第四章)、さらには国際社会における武力行使の正当性をめぐる戦争における正義の問題(第五章)を論じ、最後に今後のあるべき世界統治秩序を構想している(第六章)。本書ではこれらの問題をめぐる現在の代表的議論と筆者の見解がきわめてよくまとめられており、今後の世界秩序を規範的に構想する際の良き手引書となっている。
- 千葉大学大学院人文社会科学研究科の論文
- 2014-03-30
千葉大学大学院人文社会科学研究科 | 論文
- 戦後都議会の変容と政党システム
- 政治的リーダーシップ : 90年代の東京都政
- 日本における韓国大衆文化受容 --『冬のソナタ』を中心に--
- アイヌ語の名詞抱合
- アジア諸国の産業構造の多様性 -国際産業連関表に基づいた進化論のアプローチ-